木に倒される庭の壁

最近気が付いたことなのですが、家の前にある庭とガレージを仕切るコンクリートの壁が少しずつ倒れつつあるのです。
初めは気のせいかと思っていました。
しかしこの間の休みの日、買い物に出かける前にもう一度二人でよく確かめてみました。
すると、杜ならに立っている壁との隙間が地面よりも上に上がるにつれて確実に広がっているのです。
そしてだんだんと我が家の方(内側)へと倒れつつあるという事がはっきりわかりました。

それまで住んでいた賃貸のアパートでは子どもの学習机が2つは置けないという事がわかり、10年ほど前に買った新築の家です。
さすがに10年たつと家の中の壁紙の継ぎ目がはがれかけてきたり、扉がしっかり閉まらなくなったりしてきます。
つい最近、屋根のスレートがはがれかけていることが分かり、外壁の塗り直しやベランダの防水工事を含めて、大々的に修理をしたところなのです。
そこへきてまた今度は庭の壁が曲がってきたという事で、気が重くなっています。
原因はどうやら地にの問題があるのではなく、壁際に植えた「木」のせいらしいのです。

家を建てた時に更地だった小さな庭を「なんとかきれいにしよう」と頑張ってガーデニングに凝った時期がありました。
またちょうど当時は「ガーデニング」が流行っていて、「家庭菜園」や、「ハーブを植える」と言った事がもてはやされていました。
その波に見事に飲まれてしまい、あれこれ石を並べて花壇を作ったり、通信販売でひと月ごとに花を買ったりしていました。
そんな中はやっていたのが「ゴールドクレスト」という木でした。
大きくなると「クリスマスツリー」のような気になるもきれいな緑色の葉を持つ木でした。
流行に見事に乗ってしまった私は、その木の苗を壁際に植えてしまったのです。

買った時は30センチほどだったし、土地も広くないので「そんなに大きくならないだろう、リビングの目隠し、日陰を作ってくれるくらいになればそれでいいや」と思っていました。
その素人考えが大間違い。ゴールドクレストはどんどん大きくなり、二階のベランダに届く程にまでになってしまいました。
ただ背が高くなるだけならよかったのですがそれに伴って根や幹もどんどんと成長しています。
それが今、すぐ横にある庭の壁を押さえつけて倒そうとしているのです。
今更切り倒すのもかわいそうだし、かといって放っておくとそのうち我が家は「ゴールドクレスト」によって崩壊させられてしまいます。
「もう少し先の事を考えて植えればよかったなぁ」と今更ながら、倒れつつある壁を見ながら後悔をしている毎日です。